Tag: 科学的根拠

鍼灸師 - 万能か

現在鍼灸治療の「科学的根拠」は未だ不完全、又は研究そのものが未だ始まっていないから日頃医師や本人たちが「科学者」と名乗っているものに馬鹿にされること決して稀ではない。研究「科学的根拠」の究明は進まない主な理由は医学部と違って製薬会社などの莫大な研究費を提供するスポンサーがいない。
”本人たちが「科学者」と名乗っているもの”と言う批判的に聞こえる表現は次の意味ある:”science” と言うのは本来 “empirical science”(経験科学)を意味する。つまり、観察して真実を求める。しかし、鍼灸に関して頻繁に科学者が「根拠(データ)はないから,効くはずはない」と言う非科学的な表現がある。根拠が分からなくても治療そのものを観察(出来れば体験)し、目の当たりにするものを評価してほしい。

 だが話題がずれる。よく馬鹿にされる鍼灸師はどれだけ大変の仕事をしているか少々考えましょう。鍼灸師会の広報にいつか一つの統計が公表された。一年の治療の総数は医療施設別(大病院、医院、鍼灸院など)そして先ず診療科別とその内病気別に表された。一覧表を見ると**鍼灸**に掛かる患者がたった一つの項目ではゼロだった:お産。
 その他すべての診療科、全ての病気で患っている患者は鍼灸院に訪れる。骨折のある患者は内科に掛かると内科の先生は恐らく「専門外ですから整形外科に行きなさい」と言うでしょう。他の病気は勿論同様である。しかし鍼灸師はそれを言えないで何とか治療を挑戦せざるを得ない。つまり、鍼灸師は**全て**の西洋医学分野を少なくとある程度勉強せざるを得ない。その上に自分の専門分野東洋医学も勉強しなければならない。それてもしかしたらかなり大変ないかはか。

「気」と言うものは真に不思議なもので、その実態についてとても「簡単」には語れない。しかし、東洋医学を営む上に、どうしても一言は言わざるを得ない。
気 - その存在と運営、操作は東洋医学の真髄だとは過言ではないでしょう。気は人間の体の中(それぞれの臓器、経絡、血液など)と外(外気、天気、環境の変化、他の生物など)にも充満していると考えてもいいでしょう。そして常に変化し続けていて、決して「静止」はしない。
気の流れは患者-治療者の関係も、治療効果にも決定的な影響を与える。

最近何でも「科学的根拠」を見出していかない限りその存在を認めないと言う時代の流れだが、現時点では気の「科学的根拠」はまだ納得の出来る形で示されていない。そのため気に巡る議論は永遠続いている。


歴史的及び地球規模的(グローバル)を見てみると、全ての時代に、全ての文化圏には類似の概念がある。単なる偶然?
「科学的根拠」はまだ特定できないから「気が存在しない」結論に飛びつくのはいかにも「非科学的」だ。その正体を測定する装置がない、捉える概念が定義されていないだけかもしれない。つい最近(2013年の春)に全世界に揺るがす出来事があった:「ヒッグス粒子が発見された」。聞きなれていない言葉だろうし、一般庶民には全く関係ない事でしょうが、例のヒッグス粒子の存在は長年に「推定」された。その粒子が存在しないと現在の物理学(科学!)の基礎が完全に崩れてしまう=成り立たない。なのに今年までその粒子の存在を証明する証拠の影も形もなかった。

もしかして「気」の正体は zero-point energy (http://en.wikipedia.org/wiki/Zero-point_energy) にあるか・・・


今まで証明出来なかったから存在しなかった訳ではないだ!同じく:電気、磁場、微生物(感染症)などなどにも言える。黴菌の存在を証明出来なかったからいなかった訳ではない。感染症が世界中絶えず無数の人の命を奪う。それは幻しいではない。
気は恐らく同じものだろう。いつか技術の進歩で正体を突き止めて、測定する事ができるようになるだろう。その時まで少なくとも東洋医学においてこの不思議な力を操作するのは我々「鍼灸職人」だ。