Scapes

森戸海岸に “Scapes” と言うホテルが建てられた後に、そのホテルに連絡した事ある。ホテルのHPから表現を借用する:「穏やかな海と深い森を湛える」のような場所が好き。本来漁村のままであればなおさらに良いでしょう。鍼灸師として私は特に「自然」や「生態」等の概念に関して頻繁に考えるのは仕事柄でしょう。その観点から貴社のホテルは葉山町の自然環境を少なくとも乱して、若しくは破壊している印象が極めて強いです。もし「calm blue sea and deep green forest」に魅力を感じるようでしたら、どちらにも真四角の形態は存在していない事にも気づいていただければありがたい。貴社のホテルは真四角で灰色/黒、前面殆ど黒のものです。それは「blue sea and deep green forest」と調和する「本質を捉えたデザイン」と本当に信じているのでしょうか。昔の日本建築巨匠の伝統と精神は何処に消え去ったでしょうか。海岸から見れば真四角の黒いコンクリートブロックは眼にも心にも痛々しく写ります。お客さんは中にいるから自分(ホテル)のが見えないで海の眺めを楽しめるため、町民はその何ともいえない姿を耐えなければなりません。「a sophisticated façade, that excites the adult sensibility」:私も一応「成人」のつもりですが、上記の通り私の「sensibility」はどちらかと言えば苦しめられています。車庫に並んでいる殆ど東京ナンバーの高級車でいらっしった方々のsensibility がexciteするでしょうか。それともこの黒いコンクリートブロックは自然界と全く調和しない事を感じないようでしたら、残念の気持ちで嘆きたい。

「世界人類の多くは、今や機械文明というものに噛み殺される。

真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、

人を殺さざるべし」

田中正造