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日本語でかかれているもの

鍼灸職人育成場

タイトルは兎も角ですが(その辺はまだ考え中)、そのような事をやりたくなった。
その訳は手短に説明する。
数年前当院で治療を受けている人はその治療(雰囲気)の影響で今までの堅い就職を止め、鍼灸師を目指して専門学校へ行くようになった。来年の春に国家試験ある。先日「その後はどうしたら良いかと悩んでいる」と相談に来た。
相談の際何気なく仲間何人を集めて、共同で余りお金の掛からない形で「練習用な治療院」でもやればいいのではないかと言った。現実問題としてどこかの整形外科や接骨院で勤めて「経験を積み重ねる」のは至難の業でしょう。指示通りで動いて、何かの機械のタイマーをセットしたりして・・・そのままでは「鍼灸治療」いつまでも経験しないでしょう。
大先生の弟子になってもいいですが、その場合その先生のスタイル/教えに限定される可能性が高い。
出来れば新米の鍼灸師本人の思うままで治療を試みて欲しい。思う通りには行かなければ、ある程度臨床経験のある人に意見を求められる環境が望ましいと私は思う。言ってみれば昔のドイツの「マイスター制度」のように。どちらかと言えば私は昔多摩川病院で勉強させて貰った時そのような環境だった。

そこで「提案」ある。
2年ほど前に義理のお母さんがなくなった。その家で妻現在週に2-3回程度一人ずつのピアノの生徒を教えている。それ以外あの家は開いている。具体策はまだ練っていないが、本格的な治療院ではないにしても、上記のような「鍼灸職人育成場」は作れるのではないかと思う。
もしそのような所で鍼灸学校卒業直後で自分なり多少の経験(どんな偉い先生も何時か初心者だった!)を積み重ねるチャンスを求める者がいれば、一度話し合いましょう。

家を貸して金儲ける事は考えていない!でもその家の維持するために掛かる経費(家を使っても使わなくても掛かる!)の足しになると嬉しい。

外国人にも見せてください

私のサイトには 英語 やドイツ語のページもあるから時々外国の方から『既に中国の鍼を「知っている」か「勉強した」のですが、出来れば「日本の鍼」について 勉強 したいと問い合わせがある。
私自身は大変未熟ですので、あと200年間の修行をしないと一人前の鍼灸師にさえなれません。まして「日本の代表」として「日本の鍼」は語れません。
そこで、ご自分の誇り高き「職人気質」を海外(日本以外全世界です!)の方に披露して下さる先生方 - つまり外国の方を自分の治療院で見学させても良いと協力して下さる先生方をさがしている。
ご協力の程、宜しくお願いします。

写真: 二人のオーストラリア人を七沢病院ないの東洋医学科に連れた際私はモデルになって、一時的4人(写真に写っている見学者、東洋医学科の主任ともう一人の職員)が同時に複数の手技を施した・・・

日本の優れている職人技

鍼灸師として手の仕事=鍼灸=真求の仕事し始めてから30年ほど経っているが、後200年ほど修業すれば、何とか一人前の職人になる可能性は皆無ではないと幽かな希望を持っている。

鍼灸治療は大変長い伝統的職人技である。その良さと真価が忘れられないように鍼灸師は努力する。

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ある意味すごい才能だって言われる才能があったとしても、続ける才能さえあれば、
他のどんな才能も凌駕する時が必ず来る。
山口千尋 (靴職人)

写真: 真名瀬漁港。

治療例

現時点ここに乗せるものがない。その内 →「鍼灸 – 治療の話」 (専用ブログ)に掲載する予定。

写真: 専門学校に行った頃弓に使う壊れた矢(竹)で作った「鍼の筒」。その中に鍼管と鍼一本が入っている。どこでも鍼の片手操作できるように常にどこかのポケットに入っていた。

禅語=「歩歩道場」 - いつでも、どこでも修業

お灸 - その技術と応用

私は「灸式」な人間
無論この表現は「旧式」と書くべきでしょうが、私はお灸が好きだから敢てそう表現する。
お灸と言う数千年間の実績を持つ民間療法のお蔭で大勢の人は救われた。既に出来ていた病気を治療したり、未だ病気になっていないもの予防(「未病治」と言う故事がある)や国民の健康維持に大いなる貢献をした。
私は大変旧式な職業を営んでいるものですので、体調が不良の状態に傾いてしまい、あるいは特に問題がなくても予防のため自分にお灸する。もしかしたらそ れは「健康増進法」に寄り添っているかもしれない。歯医者に行くと朝晩に10~15分を掛けて丁寧に歯磨きしないと歯が皆腐ってしまう事が常識とよく言わ れる。それに比べて健康維持と予防のため一日一回足の三里にお灸するのは5分で終わる。

写真: 専門学校に行った頃竹の節で作った灰皿。今まで約30年間愛用して来た。

Timeless – priceless

最近目にした治療に関する広告は例外なく時間を細かく「分」単位で指定する。私は患者を分単位で診る能力がないので、治療が終わるまで掛かる時間を指定しない。悩みの多い患者の場合治療時間が長くなるが、「超過料金」などは取らない。そういう意味では私の治療は “timeless” (時間で計り知れない)であるからこそ “priceless” (お金で買えないほど非常に貴重)でもあるかもしれない。
現在実際の状況は異なっても、且つで日本の医療に強い影響を及ぼしたドイツで昔「外来診療」を “Sprechstunde” と言った。直訳では「話す時間」です。

写真: 治療院に使う鉄瓶。いつまでも変らぬ。冬も夏もぬくもりあり

鍼は痛くない

鍼もまた類似の誤解されていると思う。それもまた何かの陰謀のでしょうか。通常の治療に使う所謂日本の「標準」の鍼は3-4cmほどの長さ、ポピュラーの太さは東洋人の髪の毛より2/100-4/100ほど「太い」。顕微鏡がないとその差が認識できない。そのような鍼は特に初対面の際2-3mmほどしか刺さないことが多い。通常には何一つ感じない。鍼刺されて気持ちよく寝てしまう患者が多い。

写真: 上記で説明した長さ39mm、直径0.018mm(髪の毛の2/100分「太い」)が2-3mmまで刺され、自分の重さで倒れている。鍼の先端が皮膚を少々持ち上げている事が見える。そのように刺された鍼が入ったまま散歩も出来る!

お灸はご褒美

お灸の事を言うと大半の人は何かの体罰や拷問を連想するようになった - 過去150年の間。それは私にお灸の評判を意図的に悪くするような陰謀に聞こえる。しかし、やり方は多数です。余り熱くない、全く熱くないやり方ある。

お灸の効果を一度体験出来たら、体罰ではなく、ご褒美になる。私は個人的何か問題があれば、お灸は常に第一選択だ。

写真: 次男が一歳半の頃「お灸しましょう」の掛け声に答えて、見せているポーズを取った。注目して貰いたい事:周りに大人3人が次男を押さえ込んでいる訳ではない。お灸をして貰うに志願している。あれほど小さい子供は熱い/痛いお灸に志願する筈はないでしょう。

因みに、うちの子供に生まれた日の内にお灸した。矢印で示した同じ場所に。

治療手段

鍼を刺そうとしたところ

通常の置鍼(鍼を刺して暫くそのまま置いておく);
二本の鍼の間に電気を流す(短時間の微粒=パルス療法)(滅多に使わない);
鍼をやや深めに刺して、手で操作する=手技鍼;
小さな艾の塊を直接皮膚の上に燃やす;
敏感な人に艾の下に敷き紙を敷いたりし、間接的なお灸を行う;
温灸 - 艾と体の間に物(生姜の輪切り、や貝殻)を挟み、火傷しないお灸
指圧
マッサージなどの手技療法

写真: 待合室の風景;そこは時々変る

治療内容

鍼治療は極細い金属製の鍼を利用する。流派や考え方は多数あるが、一般的鍼は浅く(2-3mm)或いはやや深めの1cmほど刺され、そのまま暫く放置される(置鍼)。必要に応じて(深い所の筋肉を解すため)もう少し深く刺す場合もある。私個人の好みでいずれの場合患者に鍼による不快感、痛みそして良く「好ましい」とされる「鍼の響き」を与えない。
お灸の場合極小さい艾の塊を皮膚の上に載せて、燃やすが、火が完全に皮膚まで燃える前に指で囲む事によって火を消して患者に余り熱い思いをさせない。このようなお灸は新生児や乳幼児にでも施せるから、大人には全く問題が無いはず。

写真: 治療院の駐車場から見た前面。建物は大分老朽化しているが、それはこちらから何もできない。